コレクションの紹介

サイズ18 グレード #8 15石 シリアル番号83,443です。

推定製造年は1890年頃。竜頭巻き、竜頭時間セットのムーブメントで ムーブメントには、シリアル番号の他に"Aurora Watch Co.", "15 Jewels Adjusted", "Safety Pinion"と刻まれています。

このムーブメントは、5th pinionと呼ばれるタイプの時計です。5th pinion機構は、ハンティング・ケース・ムーブメント(3時の位置に竜頭がデザインされている機械)に4番車と同じ役割をする歯車を6時位置付け加えたものと考えてください。これにより顧客の嗜好により店頭でムーブメントをオープン・フェースからハンティング・ケース・ムーブメントへ、又は、その逆を自由に変更することができ、時計店の在庫削減に貢献したと考えられます。

Aurora Watch Co.は、5th pinion機構を採用したメーカーとして有名です。またElginは、機構は異なるものの同じような発想でConvertible modelを市場に提供しました。

ツートンの格子パターンのダマスキニング(機械部分装飾方法)があるグレード#8は、Aurora Watch Co.が生産した時計でRuby Jewelグレードの次にランク付けされています。しかし当時(1891年の価格表)の値段を比べるとRuby Jewelモデル(M#10)が$35で売られていたのに対しM#8は、半額以下の$16。7石グレード(M#1)が$4、11石グレード(#4 1/2)が$5.5と記載されているので、ハイグレードの時計がどれだけ高価なものかが分かります。

(写真クリックで拡大が見れます。)

この時計は、2006/7/26にEbayで購入。出品者がミシガン州のJewelerで家の近くだったので自分で取りに行くことができたのですが、ミシガン州内での取引ということで6%の消費税を取られてしまいました。

5th pinionですが、実際どのような歯車の配列をしているのか確認したことがないので、この時計を掃除するときに検証してみようと思っています。
2006/8/2にEbayで部品取り(Double sunk dial)用のムーブメントを購入しました。近日中に届きますのでダイヤルを入れ替えようと考えています。
2007/7 やっとDouble sunk dialを付け替え、ムーブメントを分解掃除をして完成です。ケースが少し磨り減っているので機会があれば、ましなケースに入れ替えようと思います。それから分解掃除した際に5th pinionの写真を撮りましたので上に掲載させて頂きました。面白いことに5th pinoin軸は、小さいバネで押さえられていてハンチング(秒針が動力に反する力で不規則な動きする)を防ぐようになっていました。

Back to Home Page